2012.05.21 金環日食を観察しました。 in 徳島県小松島市

2012.05.21

皆様もご覧になられたと思いますが、去る2012年5月21日、九州〜関東の太平洋側で国内では25年ぶりに金環日食が観測されました。

25年前の1987年9月23日、管理人は小学3年生で、実家から部分日食を観測しました。
当時は日食グラスなどはあまりなく、ネガフィルムの黒く感光した部分を3枚重ねにしたり、下敷きなどで見ていました。
そうです。「こういう方法で観測してはいけません!」みたいな事を平気でやっていました。今思えば怖いですね。

25年前の部分日食の時、松山では太陽の約74%が欠けて見え、三日月みたいな形をしていたのを覚えています。
部分日食を観測しながら、25年後には自分の目で見たいなという思いをずっと持っていました。

25年後の2012年5月、管理人の家族4人で高知県室戸市に金環日食を見に行こうと予定を組みました。
子どもたちの太陽観察グラスは宇宙科学少年団で配布されたメガネタイプの観測グラスを使用し、観測ノートも用意。
嫁さんの観測グラスは3年前の7月22日の部分日食(一部地域で皆既日食。悪石島の悪夢)で使ったものを流用しました。

あとは撮影用にと一眼レフカメラ用の簡易フィルタを自作し、あまったフィルタで自分用の観測グラスも自作しました。
準備にかかった費用は眼視用太陽フィルター代の1200円ほどでした。思ったほどかかっていません。
準備は万端。あとは当日を待つのみです。


2012.05.20

一週間前から天気予報をずっと見ているのですが、室戸市の21日朝の天気は曇りから変わる様子がありませんでした。
四国内で金環日食が観測できる地域で、尚且つ晴れが期待できる地域を探すと、徳島市と小松島市が期待できそうでした。
室戸岬まで出かけて見れなかったらイヤだと判断し、行き先を高知県室戸市から徳島県小松島市へ急遽変更しました。

・・・この判断が後々大きな後悔を生むこととなることを管理人たちはまだ知らないのです・・・。

小松島市で広い場所を探していたら、港地区に広めの場所があるらしいとの情報を手に入れ、カーナビ目的地を適当にセット。
20日の午後9時に自宅を出発し、一路徳島県へ向かいました。3時間ほどで到着できるとカーナビにはありました。
川内ICから松山自動車道に乗り、東へ向かっていると雨が降ってきました。かなりの本降りです。一抹の不安がよぎります・・・。

21日の午前1時前には小松島港に到着しました。朝まで仮眠できる場所を探してると、日食観測にも良さそうな公園がありました。
周りに民家もなく、駐車場も広く取ってありましたので、ここで朝まで仮眠をとることにしました。ちなみに→この辺りです。

目が覚めると午前5時でした。窓から朝日が差し込んできます。
駐車場のすぐそばにある公園のデッキから朝日を撮りました。
あと数時間後にはリング状になるのかと思うとこの朝日も特別に思えます。
駐車場から見た朝日はこんな感じです。
朝5時の時点では日食を見に来たと思われる車は3台ほどでした。
準備したものは正確な時間が分かる電波時計に日食の時間表。
簡易型の一眼レフ用自作太陽フィルタと自作メガネです。
一眼レフにフィルタを取り付けるとこんな感じになります。
テストで太陽を撮影したら綺麗に撮れたので、こんなのでもいいようです。
観測の場所はこんな感じです。右の方は伊予市から来られたそうです。
この方はPENTAXの一眼レフに自作フィルタを取り付けて撮影されてました。
観測場所の公園はこんな感じです。20人ほどが観測に来ていました。
※クリックで原寸大のの写真が開きます。

朝日はとても綺麗だったのですが、その上の空には一面雲・雲・雲!! なんだか不安になってきました。

その不安は的中し、日食開始の6時16分になっても太陽すら見えませんでした。このまま観測できずに終わるのか・・・?

日食開始から5分経過の太陽があると思われる空。
明るいんですが、どこに太陽があるか分かりません・・・。
午前6時44分。ようやく欠けた太陽が出てきました。
一緒に観測していた人たちからどよめきが上がりました。

この時点での欠け具合は約34%です。

※これ以降の写真は、トリミングなどの編集を行っています。
太陽は雲の隙間から見えたり、隠れたりを繰り返してました。
7時00分の太陽。すでに約60%が欠けています。
雲の間から見えている状態ですので、フィルタなしでの撮影です。

(本当はいけないのでしょうが、フィルタを付けると何も見えません)
金環食の開始15分前の午前7時11分の太陽。
かなり月が重なってきて約75%欠けた状態です。
この辺りから周りが少しずつひんやりしてきました。

3年前の部分日食のときも感じたのですが、太陽がある程度欠けると
光量が落ちてくるのか、ひんやりと感じます。
金環食直前の7時25分の太陽の状態。かなり細くなってます。
この状態では太陽の90%以上が欠け、周りも薄暗くなってきました。

この後、雲が厚くなってしまい、金環食開始の瞬間は撮れませんでした。
金環食が始まっても雲が切れる様子がなく、皆苛立ってる様子でした。
しかし、金環食開始から1分が経過した7時27分。ようやく雲が切れ、
リング状に欠けた太陽が顔をのぞかせてくれました。

これにはその場にいた全員がどよめき、拍手が上がりました。
そうですよね。皆さんこれを見に来てるんですものね。

管理人も25年間待ちに待った金環食をこの目で見ることができました!
金環食終了まで1分前の7時29分。この辺りからまた雲が厚くなりました。
夢中でシャッターを切っていたため、若干ブレてしまってます。

※形が分かりづらいため、クリックで色変換した画像が出てきます。
金環食が終わり、次に太陽が見えたのが7時40分でした。
この時点で太陽は82%欠けた状態まで戻っています。

日食を観測しに来た人たちも帰る準備を始めていました。
周りの人たちがほとんど帰り、管理人たちも帰ろうかなと思っていたところ、
再び少しの間だけ太陽が顔をのぞかせました。7時59分でした。
これで約60%欠けた状態です。

この後、しばらく待っても雲が切れる様子がないので仕方なく帰り支度を始めました。
帰り道を渋滞にはまりながら走ってると、いきなり太陽の光が差し込んできました。まだ日食は終わってない時間です。
急いで太陽グラスを取り出し、太陽を見てみると左下がわずかに欠けた状態の太陽を見ることができました。
さすがにカメラ一式はトランクルームに置いてしまってるので撮影はできませんでしたが、日食終了間際の姿を見ることができてよかったです。


13時過ぎに自宅へ帰り着き、録画していたNHKなどの番組を確認してみると、室戸岬はすっきりと晴れているではありませんか!!!
前日までは雨が降っていたそうなのですが、当日朝にはすっかり晴れて、日食も最初から最後まで観測できたそうです。
室戸荘のブログにも当日の様子が書かれており、行っておけばよかったかなと後悔する羽目になりました。
ただ、室戸岬周辺は駐車する場所が全くなく、大混雑状態だったそうなので、ゆったりと観測できた小松島市でよかったかなとも思いました。

次に国内で金環日食が観測できるのは2030年6月1日の北海道です。管理人は52歳の誕生日直前です。
見に行けるようでしたら、もう一度金環日食を見に行きたいですね。

ちなみに、松山で次に見られる金環日食は2095年11月27日。皆既日食は2361年3月8日・・・。どちらも無理です。

参考資料ですが、3年前の2009年7月22日の部分日食です。
この時は一部地域で皆既日食でしたので、月の方が大きく見えます。
今回の金環日食と欠け方の違いがお分かりでしょうか?

今年は、21世紀最後の太陽の前を金星が横切る「金星日面通過」が6月6日にあります。
折角太陽撮影用のフィルタを自作したので、休みを調整して撮影してみようかなと思っています。


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